國安 声優・小松史法のオフィシャルサイトをリリースしましたが
今まで自身のサイトは作ってこなかったんだよね？
小松 そうなの…そういうのに疎くて 笑
でも最近そういうのに力入れないと駄目だよって周りから言われるようになったことが、リリースのきっかけです。
國安 笑 声優さんのサイトを見るとあまり多くを語らない方が多い印象だけど、
もっと小松くんを皆さんに知ってもらう目的で、ラフな感じのインタビューをさせてよ。
個人的には小松史法と言ったら・・・・・・『JOJO』のポルナレフや米ドラマの『ゲームオブローンズ』のラムジー・スノウ、
最近ハマってる『レジデント 型破りな天才研修医』のコンラッド役のイメージが強いけど、
どのキャラの声を聞いても一人の声優がやっているとは思えないんだよね。
俳優さんだと顔がわかるからお芝居の表現が差になるのかなって思うけど、
声優さんって声だけで表現して、色々な人になりきらなきゃいけないから、大変そうだなっていつも思ってる。
そもそも声優になるためにどんな努力をしていたの？何回か聞いてるけど、いつも「誰でもできるよー」って謙遜してるよね？笑
小松 人に言える努力っていう努力はあまりしていない気がすんだけど 笑
でも声優になるのが大変じゃなかったっていうことではないよ 笑
してきた努力を強いて言うなら、映画やテレビ、舞台を観たり、
街を歩きながら看板の文字を声に出して読んでみたり、与えられた滑舌の課題を練習したり…って感じかな？
あと体を動かすのが好きだから、走ったり、筋トレしたり、腹式呼吸で走ってみるとか…
國安 腹式呼吸で走る！笑それは想像するだけでかなり疲れそう 笑
小松 そうだね 笑でも、寝ている時の姿勢ってみんな腹式呼吸なんだって。
だから、寝っ転がってる時の感覚を意識しながら走ってるよ。
あとはそうだなぁ…、努力をするって言っても、与えられた課題をやるっていう「受け身の姿勢」のまま努力することは良くないと思っていて・・・・・・
それだとすぐ飽きてくるし、終わりも見えない・・・・・・でも自分の興味のあることに対してだったら、
自分自身で考えたり、行動したりするからそこまで苦じゃないし、すぐ飽きるなんてこともないんだよね。
努力をし続けるってなかなか難しいことだけど、
自分の好きなことやできることにひと工夫、ひと手間加えているかなぁ。
國安 なるほど、じゃあ声優になる上で参考になったものとかはある？
さっき映画やテレビを観たりしてるって言ってたけど
小松 そうだね、映画やテレビの他にもお芝居を観に行ったり、仲間とみんなで遊んだり、一人でポッと出かけてみたり…
自分の心が動けば本当は全部参考になるって思っていて。
日々の暮らしの中で感じる良い事も悪い事も、楽しい事や辛い事だって、
何かのお芝居の時に役に立つ時が来ると思う。
声の表現でいうと、テレビやラジオ、ナレーションから出てくる声、吹替やアニメや映画の声、
それは全てOKテイクだから、ぜーーんぶ参考。
声が聞こえてくれば全て参考。
映像を見てて面白いなと思ったらその表現を真似したりしちゃう笑街を歩けば色々なところから声が聞こえてくるよね。
電車乗っていたって、色んな声が聞こえてくるでしょ？
JR東日本のホームで聴こえてくるのは声優の先輩の田中一永さんの声です。
良い声しているなって思うと同時に、いい仕事しているなって思います。
それに、なにか食べようと思ってお店に入ったら、先輩の声がお店のインフォメーションで聞こえてきたり・・・・・・
タクシー乗ればタクシーのタブレットからよく聞く声が聞こえてきたり・・・・・・
参考になるものは至るところにあるって思うなぁ。
國安 小松くんは元々は一般企業に就職していたと思うんだけど、
どうして会社を辞めて声優をやろうと思ったの？きっかけとかある？
小松 きっかけは自分の中で何か新しいことを探すというより、目の前にいた仲間の言葉かな…
自分の中に、はっきりとした「声優やりたい」っていう意思ではなく、
今がつまらないから「なにか他にやることないかなぁ。あ、あいつ声優やるって言ってたなぁ。そっちやってみようかな…」って。
そしたらそいつが「きっと向いていると思いますよ？」って声優という職業をぶら下げてきたのよ 笑
どんな世界なのか、面白いのか面白くないのか、大変だということも分からず、そのぶら下げたものを掴んでみたって感じです。
会社を辞めた後、養成所に通っていた時は「声優でメシを食っていく」ってことしか考えてなかった。
だって、同級生は自営業をしたり、会社に勤めたりして立派に「社会人』をしているのに、俺1人だけアルバイトしながら研鑽の日々。
劣等感というか、社会人としての負い目を感じていましたね。
会社を辞めて24歳で養成所に入って、27歳で初仕事して、やっとアルバイトしなくて済むようになったのは29歳になってから。
声優っていう職業は、夢や憧れではなかったからどうしてもやめられないっていう執着は無かったけど、
会社を辞めてまで踏み込んだ世界だから、メシが食えるようになるまでは辞められないな、とも思ったよ。
父親からは「30歳までアルバイトやっているようだったら就職しろ」とは言われていたけどね。
なので、ギリギリ！笑一気にバァーッ！て売れていく人もいるけど、それはごく一部の人。
それ以外の人は、地道に一言一言、少しずつセリフの量が増えていったり、徐々に作品の中での役の重さが重くなっていったり・・・・・・
ガーッと売れていく人も一段一段、階段を登っていく感じだと思うよ。
結果を出し続けていって、そのポジションにいるんだと思うな。
國安 僕も入社式前日で辞めたから約１年フリーターだったんだよね。同じように負い目は感じてた。
というか同じ会社を辞めたんでしたね。笑
他の同期のみんなは数年？働いてたけど、今は誰もいないんじゃ・・・・・・
國安 今結構テレビで声優さんを見る機会が増えているなって思うんだけど、10年後の声優の仕事ってどうなっていると思う？
小松 日本文化の一つとしてアニメは更に世界に進出、浸透していくだろうし、声優個人の活動にも注目されていくと思うな・・・・・・
SNSとかYouTubeでの配信が当たり前になっていって、より人気者に焦点が当たってくる仕事になると思います。
機械の声もこれから増えるだろうから、そこに負けないものを持っていかなくちゃ！って思うよ。
國安 そんな声優を目指す方々へのアドバイスを是非いただけないかしら？
最近の若い方々と話すと声優希望者多くない？
小松 なるほど、、、笑 まず色んなものに少しでも興味を持ってみると良いと思います。
自然だったり、人だったり、自分だったり、催しものだったり、テレビの世界だったり、パソコンの中の世界だったり…
音楽だったら、クラシック、ロック、ポップス…食わず嫌いしないでその世界を少しでも覗いてみては？と。
そこで更に興味を持ったものを深掘りしてみるといいかもしれないです。
「お芝居に繋がるかな？」とかそういうことは後から考えていけばいいかなと思うので、最初はとりあえず色んなものに興味を持っていた方が楽しいかも・・・・・・
人繋がりも同じだと思っていて、最終的に助けてくれるのは人。
ご縁を大切にしていくのはとても大事だと思います。
信頼できる人、大切にしてくれる人、気の合う人、必ず出会うから、繋がりを大切にしていけたら良いなって。
狭く深くっていうのかな？笑あとは楽観的に生きていけるといいんじゃないかな・・・・・・
追い込む時は追い込む。
でも落ち込んじゃうことの方が多いから顔あげて、胸張って、前見て、歩いて生きていきましょう、っていう感じ。
あと、自分のやりたいことは言葉にする。
そうするとやりたいことを誰かが拾ってくれるかもしれないから、あれやりたい、これやりたい、って言ってみてみるのも一つの手！
何か一つのことを選択して極めていくことも大事かもしれないですね。
結局、スペシャリストが生き残っていくんだと思ったりもするし・・・・・・
やり始めの時期は色々なことを試されたりするけど、最終的には周囲が自分の良いところを見つけてくれたりすることもありますからね。
でも、難しいことだと思うけど自分のどこが得意かっていうのを把握するのも大事だし、
自分を掘り下げていくのも大事だと思います！
主観的に思うところと、客観的に思われているところのいいとこ取りができて、極められたら最高ですね！
笑私も極めたいですねぇ…まだまだ発展途上です。
國安 たくさんのコメントをありがとうございます。笑
ところで話はガラッと変わるんだけど、小さい頃はどんな子だったの？
20年ほど前に初めて会った時は素朴な青年という印象だったけど(＊注 上から目線なのは小松氏の２歳上)
小松 野球少年！遊んでばっかりでした 笑
國安 じゃあそんな野球少年（笑）は就職とかどう考えてた？
小松 職種は全然決めていなくて、やりたいこともよくわからないまま過ごしていたからなぁ 笑
でも飛び込んだ環境の中で何か楽しいことは見つけられるだろうなと思っていたから、なんでもいいやって思ってたのよ 笑
ところがそれは甘かった 笑
だから学生の頃からもっと色んなものを見つめる事ができていると、自分が何になりたいのか、どう生きていきたいのか、自分と向き合えると思う。
経験上ね笑あと入って違うなって思ったら、そこに居続けるんじゃなくて自分らしくいられる環境を探すっていうのもいいと思う！
國安 そうだね、すごくわかるなぁ、何か違和感を感じたら場所や環境変えるのはありだよね。
若い時の声優下積み時代に苦労したことってある？
小松 苦労ねぇ…お金が無いことくらいかなぁ笑
國安 お金は大事だけどなかなか最初からは稼げないよね 笑
声優になってから一番苦労したお仕事は？
小松 子役とアドリブで会話しながら、自分のキャラクターをコントローラーで操作しながら番組を進めていくっていうお仕事 笑
國安 あー、、、言うこと聞かなそう 笑
そういうのも声優の仕事なんだね、、、小松史法的には声優って一言でいうと何なの？笑
小松 確かに難しい質問 笑
うーーん…辞書で調べると「声だけで出演する俳優」って出てくるけど、今はもう声だけのお仕事では無くなってきてるよね。
アニメや吹替のアテレコ、ナレーションはスタジオ入ってマイク前でのお仕事だけど、もう露出するのが当たり前の世界になっていると思う。
イベントで登壇して、トークして歌って踊って、ラジオ、テレビ、YouTubeをやる人もいるでしょ？
写真集だって出す人もいるからねぇ…
吹替やナレーションでそこまで派生する仕事は無いけども、アニメはもう世界へ発信してるから声優にも凄いスポットライトが当たるよね。
今はもうマルチに活動することが求められてるのかもね。
でも、声優っていうお仕事の根底にあるのは、お芝居というか「声の表現」があると思うな。
それが大事って信じてるタイプです。
だってみんな声優として作品に呼んでもらうために、表現力を磨くことを頑張っているはずだから！
作品に読んでもらえないと、色々なチャンスも巡ってこないし。
まず自分の出せる表現を把握しないといけない。表現って難しいし、一朝一夕で身に付くものじゃない。
でもそこを追求していって、向上心を持って取り組むってことをやっていかなきゃならない仕事だと思っています。
國安 難しい質問に答えてくれてありがとう！
（全然一言じゃないが・・・・・・）今後小松くんがやってみたい作品はある？
小松 やりたいなって思うのはたくさんありすぎる笑子どもが楽しむ作品だったり、
ヒューマニズムを描く作品だったり、アクションヒーローだったり、歴史に関わる作品だったり。
漫画読んで面白いなぁと思った作品だったり、動物とか、宇宙とか旅番組とか、自然のものだったり。
スポーツとか、ドキュメンタリーとか、報道も！欲張り過ぎ？ 笑
CMとかあるし、企業さんのVPとかあまり外に出回らないものとか、
何かしら関わっていきたいなって気持ちがあります。もちろん全て簡単なことではないので、日々訓練します！
國安 こっそり応援してます。笑
今後の抱負を教えてください！
小松 自分自身の窓口を今まで設けてこなかったので、
挨拶を交わしてくれた方、また興味を持ってくれた方が、
このサイトを見てこうゆう人間なんだなっていうのが少しでも分かって頂けたら幸いです。
サンプルも載せていますので、チョイスして頂いて、良いのがあればそれを基に、お仕事のご依頼に繋げられたらなって思います。
ナレーションをジャンル分けして、セリフを喋っていますが、出演作品の方にポチっとしてくだされば、どんなお芝居をしているのかが分かると思います。
今後も更新を続けて、もっと充実させていきたいですね。
一味違うカタチでキャスティングのイメージに繋がればと思っています！
