あなたのフランス語はとても流暢だ。
パリに住んでいたそうですね。
お父様はフランス人。
オックスフォード大学で数学を専攻。
首席で卒業。
あなたなら役に立ってくれると思う。
それは国家機密保護法にサインしてくれたらですが。
でもこれだけは言える。
あなたにしてもらうことになる任務は極めて危険なものだが、戦争に勝つには絶対に必要だ。
しばらく家には帰れなくなるし、誰にも何も話せない。
家族にも、お母さんにも、一切口外は禁止。
私の説明で、わかった? そういえば、君の息子は元気にやってるか?
そうか、それよかった。
では、手短に話そう。
君の推測どおり今日は陸軍省の仕事できた。
この男を探している。
あー、イワンスピアコフ。
ロシア人だ。元はグルジア出身でドイツ軍に加わり、ノルマンディーで捕虜に。
その男が捕虜としてブレンチャージにいたんだが、2日前に脱走してね。
西へ向かったものと思われる。
とにかく、なんとしてでも見つけなければならない。
急ぐんだ。 ここにあった遺体を運んだ?
我々に通報もせず?
どこの土地かは関係ない。
被害者はイギリス人だ。
君に遺体を動かす権限は無い。
私たちにはある。
1942年の連合軍駐留部隊法によればある。
遺体はどこだ。
検死官を読んで死亡時刻を調べろ。
けもの道は?
調べたか?
野生の動物だよ。
特に狐が商品となる髪の毛や衣服を咥えて持ち去ることがある。
そっちが先だ。